公益社団法人 長野県防犯協会連合会

防犯信州

令和7年度防犯ポスターコンクール

2025.12.21

 令和7年度防犯ポスターコンクールは、児童生徒の防犯意識の向上と防犯知識の普及啓発を図るため、令和7年10月16日(木)長野県庁において最終審査が行われました。       
 本年度は、県内小学校249校、4,370点、中学校51校、973点の合計300校から5,343点の応募がありました。県下警察署・地区防犯協会単位で行われた審査会を経て、最終審査対象135点の中から厳正なる審査により、特賞6点(うち知事賞3点)、金賞、銀賞、銅賞、佳作を選定しました。

厳正な県審査会の状況 令和7年10月16日(木)県庁西庁舎110号会議室

 審 査 結 果 

令和7年度防犯ポスターコンクール
知事賞・特賞入選作品

 全 体 の 講 評 

 防犯ポスターコンクールは、子ども時代を生きている子どもたちが、犯罪のない社会の実現に向けた純粋な願いをポスターに表現し、幅広い世代に発信している大変重要な機会になっています。
 また、入選作品はポスターや広報、HP等で発信されることで、犯罪の抑止につながる啓発活動として未然防止にも貢献しています。
 ポスター事業に関わる全ての皆さんの願いである「犯罪のない安心で安全な長野県」の実現を目指して、子どもたちが積極的に参加している防犯ポスターコンクールの意義を改めて認識することができます。子どもたちの作品には見る者を惹きつけるすばらしい力があります。「長野県の犯罪をゼロにしたい」という強い願いは、正に「こども基本法」にある子どもを中心とした社会の実現を目指す根幹と言えます。防犯ポスターコンクールを通して、すべての人の安心と安全が守られる社会の実現を強く願っています。

 審査委員長  長野県美術教育研究会会長 
         長野市立山王小学校校長      徳 嵩 博 樹  先 生

 作 品 紹 介 と 講  評 

             【知事賞】                       伊那市立伊那東小学校5年 
                                              池上 心葉  (いけがみ ことは)

 後ろからバイクに乗った二人組がバッグを奪いに迫ってくる・・・。まるでドラマや映画のワンシーンのようにこれから起こる犯罪を予測できる構図が見る者の心を惹きつけます。四六時中スマホに夢中になりすぎてしまい、周りの状況など考えずに無防備になっている私たちにいつでも起こりうる身近な犯罪であることを気付かせてくれます。
 二人乗りのバイクを構図の中心に置き、狙われている人物を半分で表現している構図、人物とバイクの輪郭線と迫り来る音を淡い黄系の色で囲み背景の紺色に浮かび上がるようにし、合わせて文案も黄系の色で表現している配色も工夫されています。スマホに夢中になり過ぎている″あなた″を、犯罪者はいつでも狙っている・・・犯罪から身を守るための基本を忘れている現代社会の多くの人たちに「スマホに夢中になり過ぎていませんか?油断は禁物ですよ。」と警鐘を鳴らしている優れた作品です。

             【知事賞】                       佐久長聖中学校1年 
                                              永尾 鞠花  (ながお まりか)

 背景の黒色から飛び出すような鮮やかな赤の文案が、見る者をポスターの世界に惹き込んでいきます。そして、上段から下段の黄系の文案に進み、画面中央の黒の人物、そして白・灰・黒の無彩色で表現された幻想的な状況、さらに淡い青系の配色により夢を見ているかのような状況を創出しています。気が付くと携帯電話を見ている人物は「わたし」であり、画面の中の人物も「わたし」なのかもしれない・・・さらに、大きな画面の人物と携帯電話の画面の人物は同じ人物なのでは・・・それとも全く異なる人物なのかも・・・連続する画面構成の工夫が見る者の心を迷わせながら犯罪の本質に気付かせてくれます。さらに白いシャツの人物と黒いセーターを羽織った人物の細部の表現を変えることで「白と黒」「悪と善」「嘘と真」のように常に最悪を想定した意識を持っていることが未然防止につながることを気付かせてくれる優れた作品です。

             【知事賞】                       長野市立三陽中学校2年 
                                              田中 悠希  (たなか ゆうき)

 今年警察が力を入れている「偽警察詐欺」への注意喚起を、スマートフォンを使い訴えかけるアイディアが見事です。8月4日から全国一斉に「警察官をかたる詐欺」の注意を呼びかけている時事を的確に捉えている作品です。
 画面を4分割し、上段で主題の絵を前面に押し出しながら左から右へそして下へと文案を読ませる構図の工夫や、スマートフォンの持ち手と画面の中の警察手帳の持ち手が奥行きをつくりだすことで「まだ画面越しの出来事・・・犯罪に巻き込まれずにどうにかなる・・・」と、巧妙な詐欺手口を見破ることの大切さに気づかせてくれます。ポスターの中に何層もの奥行きと重なりを構成する工夫は、複数の作品を見ているかのように一画面の中で犯罪行為の様子や警告・注意事項などを感じたり考えたりすることができます。構図、配色、文案の全てにおいてまとめあげた優れた作品です。

             【特 賞】                       箕輪町立箕輪中部小学校4年 
                                              種山  華  (たねやま はな)

 リンゴはまだ完全にバッグの中には入っていませんが、背後に潜む悪い気持ちと葛藤している様子から、犯罪に陥る前に思いとどまることの大切さを自分事として考えさせてくれます。成人がなぜリンゴをバッグに・・・「なぜ?」と感じる人もいるのではないでしょうか。物価高、貧困、ストレスなどの現代社会が抱える諸問題が複合的に絡み合った際に、思いもかけない人が・・・。犯罪行為に繋がる様々な社会問題をも考えることができます。
 画面構成、配色、文案の周りに注意喚起を促す輪郭線の縁取りや配色の工夫など細部にまでこだわりながら丁寧に表現しています。右上に描かれた手錠が犯罪に誘うような笑みを浮かべながら、心の中を表す吹き出しと合わさり髑髏(どくろ)のように見えてきます。
 このポスターを目にすれば、成人の犯罪を抑止することにつながる優れた作品です。

             【特 賞】                       松本市立旭町小学校6年 
                                              佐藤 奏成汰  (さとう かなた)

 画面全体の配色を深く濃い黄系で表現した工夫が見る者の心を惹き付けます。
 上段の文案の左右に注意喚起を促すマークを配置したことで2行の文案が際立つとともに絶妙なバランスで構成されています。画面左側に黒色の人物とお札、画面中央にスマートフォンと画面に映し出された詐欺に関するキーワード、画面右側には犯罪の処罰を赤と黒の文字で表しながら、犯罪に巻き込まれ打ちひしがれた状況にある人物を白で表現する工夫、さらに下段に紫色で″闇バイト″で締めくくられている・・・。見る者の心に強くとどめを差す図柄の構成と配色が見事です。悪ふざけをしているように見える黒の人物像と罪の重さに耐えきれず跪いている白色の人物の中心にスマートフォンが配置された構図は状況を対比する効果にもつながっています。全体を黄系で表現したことで、犯罪に巻き込まれずにほっとしている状況も味わえる効果が期待できる優れた作品です。

             【特 賞】                       須坂市立相森中学校3年 
                                              滝澤 紗奈  (たきざわ  さな)

 サイバー攻撃・不正アクセス・ウイルス感染などによる社内機密や顧客情報、個人情報等の外部流出という可視化が難しい″情報漏洩″という犯罪の特性を、砂時計と淡い配色による構成で表現しているアイディアが見事です。クラウド等に保存された目に見えない大量の″情報″が、気付かないうちにセキュリティが破られ一瞬のうちに盗み出されてしまう″情報漏洩″。インターネットでつながる全ての機関や企業、個人が″情報漏洩″という恐怖と隣り合わせであることを、砂時計をテーブルの端に置くことで、もしも砂時計が床に落ちてしまったら取り返しがつかない状況になることに気付かさせてくれます。たとえ落ちる前に砂時計をひっくり返したとしても、″情報″という砂は再び落ち始め″情報漏洩″のカウントダウンがはじまる・・・。答えのない問いを投げ掛けられているようにも感じます。便利な情報社会への警告として受け止めることができる優れた作品です。