公益社団法人 長野県防犯協会連合会

防犯信州

令和5年度防犯ポスターコンクール

2023.11.28

 令和5年度防犯ポスターコンクールは、児童生徒の防犯意識の向上と防犯知識の普及啓発を図るため、令和5年10月6日(金)長野県庁において最終審査が行われました。       
 本年度は県内小学校247校、5,175点、中学校65校、940点の合計312校、6,115点の応募があり、県下警察署・地区防犯協会単位で行われた審査会を経て、最終審査対象142点の中から、厳正なる審査により、特賞6点(うち知事賞3点)、金賞、銀賞、銅賞、佳作を選定しました。

 今年度も甲乙つけがたい力作が集結し、審査員による厳正な審査が行われました。

 厳正な審査の結果、次の6点の作品が、知事賞・特賞に選ばれました。
 おめでとうございます

 【審査員講評】

審査員
長野県美術教育研究会会長 長野市立城山小学校教頭 徳嵩博樹先生

 【全体講評】

  子どもたちが防犯ポスターコンクールを通して「犯罪のない安全で安心な長野県」の実現に向けて、自分事として真剣に考えながらポスター制作に取り組んでいる様子に感心しました。ポスターの構図や配色、文案からは子どもらしい発想とともに、アイデアや工夫に富んだ優れた表現力も伝わってきます。子どもたちの作品はどれも心に響いてきます。審査を通して防犯協会連合会と長野県警察等と学校が更に連携できるのではないかと考えました。例えば入選作品を防犯教育の導入に位置付けたり、図画工作・美術の学習で防犯ポスターを鑑賞しながら安全で安心な社会の実現のアイデアを話し合ったりする等、防犯ポスターには、学びの新たな可能性を感じることができます。「犯罪のない安全で安心な長野県」の実現を目指して、子どもたちが積極的に参加している防犯ポスターコンクールの意義を強く感じています。

【知 事 賞】

佐久穂町立佐久穂小学校4年生星野陽斗(ほしのはると)さんの作品
「たった数センチのすき間から…」

講評】
 ポスターの持つ魅力と社会的役割を多くの人に発信するすぐれた作品です。植物が窓辺におかれた幸せな日常の生活に黒い人影が忍び寄る…「もしかして…」室内の幸せと屋外から忍び寄る犯罪とを対比した構成が見る者の関心を惹きつけます。日常の生活空間を表現するために、白色と庭の植物と室内の植物を緑色で一体感を生み出す工夫とともに、補色関係にある赤色の文案で注意を訴える配色の工夫が素晴らしいです。さらにそこに忍び寄る人影を黒色で表すことで表すことで「もしかして…」と見る者に自分事として考えさせるというポスターの魅力と訴える力を1枚の絵に表現した総合的に大変優れた作品です。

中川村立中川東小学校6年生
川島龍我(かわしまりゅうが)さんの作品
「上手い話には 裏がある」

 上手い話とその裏にある犯罪の闇の世界を左右の形と色で対比している構成が見事です。右半面をみると白を基調とした配色と福笑いの笑顔から、安心感をもたせるような気持に誘い、左半面を見ると対照的な黒を基調とした犯罪の闇の世界に誘う中で、見る者を「はっ」と我に返させる…さらに視点を画面の上から下へ誘いながら犯罪であることに気付かせる見る流れが工夫されています。左右の対比を意識させながら、巧み犯罪に騙されないように、見る者の注意喚起を促すストーリーを感じることができる構成が優れた作品です。
 12月21日、中川東小学校校長室で知事賞を受賞した川島龍我さんに和田直駒ケ根警察署長から表彰状が伝達されました。おめでとうございます。

木島平村立木島平中学校3年生
白川心遥(しらかわこはる)さんの作品
「甘い言葉に惑わされるな」

 日常的にSNSを利用している若者をターゲットにした闇バイトへの注意喚起を促す言葉の選択と、黒を基調にした画面と文字の配色の工夫で、見る者に多発している闇バイトへの注意を促している素晴らしい作品です。中央の画面と顔のような表情は、見る者にSNSの利用者としての光と影の存在を意識して利用することの必要性を訴えかけています。SNSは外部とのつながりを無限に広げてくれる利点がある反面、犯罪と隣り合わせであることを利用者自身が主体的に考えていくことの大切さに気付かせてくれる優れた作品です。

【特 賞】

安曇野市立穂高北小学校5年生
澁谷龍聖(しぶやりゅうせい)さんの作品
「そのバイトだいじょうぶ?」

 携帯電話の情報に「何かな?」と何気なくタップしてしまう自分はいませんか?背景を補色関係に近い青色と黄色で表現したり、文案を平仮名と片仮名にして見る対象を低年齢層を意識している工夫が見事です。反面スマートフォンの画面に「闇(やみ)」という難しい漢字を使用することで、子どもの疑問に保護者等の大人が答えるコミュニケーションを生み出す工夫も見事です。小さな子どもの関心を惹きつける平仮名と片仮名による文案、見慣れたスマートフォンの画面に潜む犯罪への入口の扉(門)、対話を通して防犯防止を家族で考える必要性を訴えている優れた作品です。

木祖村立木祖中学校1年生
岩原慶(いわはらけい)さんの作品
「薬物はあなたを救ったフリをする」

 命や健康を守るための薬の効果をきっかけに、「薬物」の世界に引き込む薬物被害。法律で禁止されている薬物につながる植物の栽培の違法性を気付かせてくれる構成が見事です。薬物の危険性に関する教育の学びの導入非常に有効な作品です。「禁止」「いけないこと」というメッセージを黄色と黒色の構成の”✖“で表現し、背景の紺色で犯罪行為であることをイメージさせる配色の工夫が見事です。さらに緑色は心を安心させてくれる色で使われることが多い色ですが、その優しい緑色を文案の一部と植物に使用したことで、見る者が自然な気持ちで薬物乱用の危険性を考えることができるすぐれた作品です

松本市立丸ノ内中学校2年生
清水結梨(しみずゆうり)さんの作品
「ちょっとまって!甘い言葉に惑わされるな」

 日常的に利用されているSNSが闇バイトの入口で、知らないうちに凶悪犯罪に巻き込まれていく犯罪の流れを「手錠=犯罪」で表現し、自分の未来は自分で守ることの大切さに気付かせてくれる構成になっています。文案の「ちょっとまって!」の黒色の文字を赤色の輪郭で強調したり、黄色の文字を黒色で強調したり、灰色の手錠の色と背景の色のバランスを調和させたりしている配色の工夫が見事です。じっくり見ていると犯罪を意味する手錠が、誤った行動をとれば犯罪行為として逮捕につながる「✖(だめ)」になり、正しい行動をとれば、手錠が正しい行動の「〇(よい)」に見えてくるような構成力の優れた作品です

 県下警察署・地域防犯協会における審査

県の最終審査に先立って、各警察署・地区防犯協会におきまして防犯ポスターの審査が行われ、県審査会に展する優秀作品を審査選定しました。

安曇野警察署・安曇野防犯協会連合会

駒ケ根警察署・伊南防犯連合会

上田警察署・上小防犯協会連合会